黒犬の休日
アメリカンホリデイ?
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独立記念日
感謝祭
クリスマス
ハロウィン
バスでお出かけ
飛行機に乗る
(以下追加していきます♪)

爆睡。 独立記念日
 7月4日、アメリカ独立記念日。
 この日はあちこちで花火があがる、パーティをする家もある…と楽しみにしていたのだけれど、「花火の音で犬が逸走することが多いので、気をつけるように! 特にニッキーは気をつけて、一緒に家にいてやりなさい」とのインストラクターの指示で、どこにも遊びに行けませんでした。それでなくても移動手段のない私達、留学生活前半は、全然遊びに行けなかった気がします。
 後になって分かったけれど、独立記念日に花火に驚いてぶっ飛んだあげく迷子になってしまう犬、というのは本当に多いのです。ヒューメインソサエティも、保健所に相当するPima郡の動物管理局も、民間のアニマルシェルターも一気に大入り満員状態。ボルゾイがコーギーをまたいで通る様子が、テレビのニュースに映っていました。何しろ年に一度のことだから、慣らそうにも慣らしようがないんでしょう。
 で、写真は室内の犬舎でふて寝している黒犬ニッキー。ニッキーは特に独立記念日の花火を経験していないから、とインストラクターに心配されたのに、実際は花火の音が聞こえてきても目を覚ましませんでした。

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宇宙人による「ドッグ・ミューティレーション」 ハロウィン
 ハロウィンの犬用の衣装、というのがペットショップで売られていました。アメリカ人はそういうの好きそうだなぁ、と思いつつ、ニッキーに特別衣装を着せることは今回はしなかったのですが、犬に何かを着せるというと「可哀想に!」という意見が出てくるのが気になります。
 確かに、着せなければ寒さでまいってしまう小型犬や老犬を除けば、犬にわざわざ服を着せる必要はないでしょう。でも、こんなことも思います。
 多分、犬は嬉しいんじゃないかな。「わあ、○○ちゃん可愛いよ」「上手に着れたね、いい子だね」そんな言葉が嬉しいから、がさがさする慣れない服を、一生懸命我慢してしまうのです。爪切りや注射を我慢してくれるのと同じこと。
 飼い主に注目されて嬉しい! 褒められて嬉しい! そう思ってくれる犬は、それだけで沢山の可能性を持っています。何かを教えられても楽しんで覚えてくれるだろうし、体罰も餌も使わずに人間と暮らすマナーを身につけてくれるでしょう。服やレインコートを着て、飼い主さんの方を見上げながら得意げに散歩している犬には、そんな子達が多いと思うのです。それだけの、飼い主さんとの関係が出来ているなら、それでいいんじゃない? と。

 さて、ハロウィンですが、その頃は毎週、市内最大のショッピングモール、ツーソンモールでトレーニングでした。9月の終わり頃から早々と、あのオレンジ色のでっかいかぼちゃがあちこちに飾られます。
 10月になると、モールには多分古城をイメージした大きなセットが出来ていました。コウモリ、吸血鬼、魔女…までは解るんだけど、フランケンシュタインやジェイソンや、写真のエイリアンまでが古城に集結して、なにが何だか解らないお化け屋敷状態。
 日本古来のかっぱや傘お化けの衣装を着てその中に入り込みたい誘惑を抑えるのは大変だったのです、ほんとに。

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感謝祭に集結した友人の親戚一同。 感謝祭
 感謝祭の日は、相棒だけが出かけてしまって黒犬ニッキーはお留守番。行き先が動物だらけの家だったので仕方ないのですが(と一応言い訳しておいて)、一応その日、おみやげは貰いました。丸焼き七面鳥の味付けしていない部分とマッシュポテトをほんの少々。
 人間の食べ物は一切あげないのが我が家のルールなのに、感謝祭の食事に呼んでくれた某家で、犬達のごはんに「感謝祭のご馳走だよ〜、今日だけね〜」とか言いながらターキーをのせているのを見て、つい真似してしまいました。意志の弱い飼い主です。
 食べ物の選り好みというものがないニッキーは、勿論おいしそうに食べました。生まれて初めて、多分後にも先にもこれ1回きりの七面鳥のお味は…多分わからなかったでしょう、あの一気食いでは。

 お仕事犬になるニッキーは、人間の食べ物を絶対に欲しがってはいけません。将来相棒の長時間の外出や旅行に付き合うことも考えて、食餌はドライのドッグフードのみにしていました。でも、ニッキーが年を取ったり病気になったりで食欲を無くした時に、「これなら食べる!」という大好物を、相棒は知りません。
 元気な子犬だねぇ、何か月? と聞かれるようなニッキーにその心配はまだ早いかもしれないけれど、うちの犬の好物は…と言えない自分がとっても薄情? な気もしたのでした。
 1回きりの感謝祭のおみやげの影響で、何年か後に日本で七面鳥を所望されても困るんだけどさ。

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頭だけ隠してもしょうがないんだよ、ニッキー…。  バスでお出かけ
 感謝祭のすぐ後、バスも飛行機もモノレールもメトロも乗っていいよ! というお墨付きを頂いた黒犬ニッキー。相棒は堂々と連れ歩けるようになったニッキーを、いきなりあちこち連れまわしました。嬉しかったんだもん。
 しかし、生れて初めてバスに乗ったニッキーは、定位置の車椅子の左側に入れないとなると車椅子の前に伏せようとして、写真のような大迷惑犬になってしまいました。頭だけほらあな状態を確保して、くつろいでいるお間抜けなやつ。
 それでも、ツーソンの市バス乗客は寛大。みんなお邪魔犬を笑顔でまたいで通ってくれました。さすが車椅子が降りる時には座席の上に足を上げて場所を空けてくれる人達です(この足上げがものすごく面白いのだけれど、自分がバスを降りる時に写真を撮ってる余裕がありません。バスの乗客がいっせいに座席の上で膝を折り曲げた体育館座りをし、しかも全員大真面目、という図を想像して下さい)。

爆睡する余裕…?

 で、少しはましになったのが右の写真。帰りのバスでは、車椅子と壁の隙間で自己主張し、一生懸命ぐにゃぐにゃ体勢を変え、見事車椅子の左側スペースを勝ちとったニッキー、満足げに相棒の足に頭をのせて眠るのでした。
 この犬の頑固さは、半端じゃありません。「僕の場所は車椅子の左側」と決めたら最後、断固それを守らないと気がすまないのです。その頑固さ、妙に一途な性格が、相棒にとってはたまらなく愛しいのですが。


 翌日から、バスに乗る特訓と称してツーソン市内を遊びまわりました。
 車椅子の右でも左でも、指示された場所で落ち着くこと、人がまたいで通っても、ちょっとしっぽを踏まれても動かないこと(思いっきり踏まれたら立ち上がって相棒に訴えてもいいよ。でもそれ以上しちゃ駄目)、バスの中で他のお仕事犬に会っても自分のお仕事を忘れないこと(一度だけ盲導犬に遭遇しましたが、こともあろうに盲導犬の方がお仕事を忘れてニッキーに近づいてきてしまい、あせりました)。その練習はいろいろ役に立ったのですが、それよりも「犬と一緒に気兼ねなくバスに乗ってどこにでも行ける!」ことが、相棒にとって素敵なカルチャーショック。

 さんざん遊びまわった…じゃなくて特訓を重ねた今では、黒犬ニッキーは
ツーソンでいちばんバスのリフトに乗るのが上手い犬です。普通車椅子と介助犬が一緒には乗れない狭いリフトに斜めになって乗り込む技を身につけました。ただし、相変わらず頑固なニッキーは、時々「危ないから別々に」なんて言われて相棒と一緒にリフトに乗せてもらえないと、一気にご機嫌斜めです。
 リフトだって、バスだってお店だって、相棒の隣が黒犬の定位置だから。

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クリスマスパーティで。  クリスマス
 ハロウィンの巨大かぼちゃが撤去されると、早くもクリスマスツリーの登場。ああ、アメリカだなぁ、と妙に感慨深い光景です。まだ半袖で充分な日が多かったのに、冷房の効いたお店のショウウィンドウに雪だるまが並びます。不自然だよね…。
 11月の後半からめっきり涼しくなり、朝夕が寒くなって、いよいよ12月になると、街はクリスマス一色。ニッキーは、お仕事用の赤いバックパックを背負い、トナカイの角を着けて外出しました。普段はみんな介助犬に触ったりしないのに、トナカイになった途端、みんなに声をかけられたり撫でられたり。この恰好で「仕事しているから触らないで」と言っても説得力はありません。
 ショッピングモールで募金活動をしていたサルベーションアーミー(救世軍)のおじさんが、子供が通るたびに「見てごらん、トナカイだよ!」とニッキーを指差していたのがおかしかった。

 イブの夜は友人の家のパーティに、相棒だけが行きました。実は相棒、ミッションスクール出身です。もう何年も教会に行っていないけれど、英語で讃美歌が歌われると日本語の歌詞がちゃんと思い出せるのに驚きました。そういえば毎朝讃美歌を歌わされていた高校時代は、大した理由もなく留学したかったっけ。10年以上経って、当時考えもしなかった理由でアメリカにいる不思議。
 クリスマス当日は別のパーティに行き、トナカイニッキーと共に調子に乗った相棒もサンタの帽子をかぶり、車椅子に付けた鈴を鳴らしながら走りました。ニッキーは得意げにしっぽを高く振って、いつもより少し早い歩調でそり…ではなく車椅子を引いてくれます。
 いつもの散歩コースの家々にそれぞれの飾りつけやツリーが光っているのを見ながら、外国のクリスマスを黒犬とふたりで過ごしている「今」が、とても大切に思えました。
 あちこちのサボテンもイルミネーションを付けて光っていた、アリゾナのクリスマス。


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会議場で、リュックを背負って寝ているニッキー。 飛行機に乗る
 バスやお店に入れるようになって少しした1月、ニッキーは相棒と一緒にカリフォルニアへ出かけました。ADI(Assistance Dogs International)の会議に出席するためです。ツーソン国際空港からロスアンジェルスまでは1時間ちょっと。初めての飛行機の客席での旅でした。
 ニッキーも訓練中ながら介助犬としてアメリカでの法的な権利を認められています。アメリカの航空会社を利用する限り盲導犬同様に客席に搭乗出来、IDの提示・追加料金などを求められることはありません。
 TOP DOGの卒業生ブレイクと介助犬サヴァナのコンビは毎年何度も飛行機で旅行するので、どの航空会社が親切か、ロスアンジェルスの空港のどこで犬に排泄をさせればいいか、と細かい情報を教えてくれました。障害者への対応がいい航空会社はアシスタンス・ドッグへの対応もいいようです。
「その犬は?」「私の介助犬です」「それならそのままどうぞ」――呼び止められたのはこれだけ。ニッキーはいつもの赤いバックパックを着け、見た目だけはいっちょまえの介助犬です。
 ところが。搭乗前のボディチェックでニッキーのバックパックもチェックされ、空港の綺麗なおねえさんになでなでされて嬉しくなったニッキー、
うぐぐぐぅ…喜びの声をあげながらおねえさんにすりすり♪ 調子に乗ってお腹まで出す始末。爆笑の中、床でお腹を見せて身をよじる犬を無理やり引きずって飛行機に向かう私の後には、バックパックに入っていた白いうん○袋が点々と落ちていたのでした。はい、穴があったら入りたかったです。
 一旦席に着いてしまえば、ニッキーはおとなしく足元に伏せます。レストランやバスでの経験があるから慣れたもの。同行したインストラクターのナンシーがリードを持った時は、相棒と離れる不安からぴーぴー鼻を鳴らしたりリードを引っ張ったりしたけれど、飛行機が初めてにしてはいいマナーでした。
 日本に帰る時も大丈夫! とちょっと安心したものの、私は会議の休憩時間にニッキーに新しいハーネスを買いました。もう空港で恥ずかしい思いをしたくなかったから、ボディチェックの必要のないハーネスを。

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