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くろいぬ日記

黒犬ニッキー、アリゾナ育ちの東京暮らし。

2002年3月の日記

■2002/03/30 (土) いい天気なのに…

 今日の東京は暖かくていい天気。ちょっと風が強くても、ニッキーと出かけよう! と思ったら。
 その前に洗濯をしていたら、洗濯機が壊れた。中古で譲り受けた今年で15歳の洗濯機さんは前から壊れてはいたのだけれど、ついに脱水の途中でうんともすんとも言わなくなった。いつも通り蹴ったりゆすったりしても復活してくれなかったので、仕方なく洗濯物を風呂場に移動して手で絞ってから干した。
 気を取り直していざ出かけようとしたら、カーペットに黒い犬の毛が沢山絡みついているのが気になったので、軽く掃除機をかけたら、掃除機まで機嫌が悪い。ツーソンで使っていた充電式の掃除機を持って帰りずっと使っているのだけれど、最近どうもパワーが落ちている。中途半端に吸い込まれた毛が舞い飛んだ。
 結局洗濯機と掃除機をいじっているうちに、出かけるには遅い時間になってしまった。諦めよう、今日は洗濯と掃除の日。明日もいい天気だといいな。そうしたら朝から出かけようね、ニッキー。
 ちなみにニッキー、昔は掃除機が怖かった。洗濯機も脱水の時にがたがた揺れると急いで離れた。アメリカで飛行機もカジノも克服し、今ではどこに行っても動じないけれど、洗濯機をがんがん叩いて「こら〜しっかりしろ!」と叱る私の姿にはびっくりしたようだった。一生懸命しっぽを振りながら、不機嫌な私をなだめようとする。そっとお手をされたらやっぱり笑ってしまった。
 しばらくはコインランドリーに通うことになりそうだ。車椅子から手が届かない乾燥機の奥から洗濯物を引っ張り出す仕事、ニッキーは覚えているだろうか。


■2002/03/27 (水) リード

 昨年大阪に行った時、フラッシュ君&ハーブちゃんとお揃いの首輪を頂いた。えんじ色の地に黒ラブ柄の可愛らしい首輪、最近思い切って普段にも使い始めた。恒例の大学病院通院(私のね)に同伴するため、徹底シャンプーしたのを機におニューの首輪を着けた。更にこの首輪にはお揃いのリードが売られているので、ちょっと高いけど思い切って買ってしまった。
 今さらながら気づいたけれど、首輪とリードをお揃いにしたのはこれが初めて!
 我が家に来た時は古い革のリードと大き目サイズのチョークチェーンを着けていた。これは車椅子に乗って訓練する私には使いにくくて、「犬のシートベルト」として売られていたリードを車椅子に固定したり、手元にもうひとつ輪の着いたリードを車椅子の後ろに引っかけたり、いろんな方法を試した。
 2フィートから4フィートくらいの比較的短いリードに結び目を作ったり輪にしたり、6フィートの他目的リードを肩にかけたり、試行錯誤の末、2フィートのリードを持ったまま車椅子をこぐか、介助犬用に作られたリード(アメリカ製)を使うかに落ち着いたんだっけ。
 首輪の方も、やんちゃで落ち着かないニッキーになんとか意思を伝えようと、チョークチェーン数種類、ハーフチェック、布チョーク、ヘッドカラー、プロングカラーといくつも試し、本格的な訓練に入ってからはニッキーの進度に応じて変えたりした。
 車椅子からどう犬を扱うか、どう訓練するか、介助犬としてどれだけうまくコントロールするか、スマートに仕事をさせるか…私が選んだ首輪とリードは、全て実用あるのみ! シンプルでいかにも使役犬って感じの見た目にもちょっとこだわった。
 ニッキーが歳を重ねて以心伝心が当たり前になった今は、何よりもニッキーの負担が少ないもの、それからハーネスを外したニッキーに似合うものを探すようになった。ハーネスも仕事用の首輪とリードも、自分にあったものが見つかったし、扱いも多少は上達した。ニッキーもすっかり落ち着いて、仮にリードが外れても安心していられる。これからは仕事以外の時のお洒落な首輪やリードが増えるのかも。


■2002/03/19 (火) ゴミ出し

 今日はゴミの日。ニッキーは最近ゴミ出しを手伝うのもレパートリーだ。ドアの前から外の歩道まで車椅子の幅ぎりぎりの狭さで、方向転換やゴミ袋をさげての移動が大変だから、先に歩道に出て、ニッキーに袋を持って来て貰い、そのままゴミ捨て場まで一緒に運んでもらうのだ。
 もともとニッキーは、傷付きやすい物や柔らかい物でもそっとくわえるのが得意だけれど、反対に、強くくわえて放さないというのが苦手で、落としてしまうこともある。落とさずに物を運んで歩く練習として始めたのがゴミ出しだった。くわえていることに集中するせいか歩き方も落ち着き、週に2回のいいトレーニングになる。
 今朝は私が寝坊してしまった。時間ぎりぎりで4つのゴミ袋を出さなければならない。仕事前の排泄をさせる時間がなかったし、私が焦っていればきっとニッキーも失敗すると思って、ひとりで行くことにする。ゴミ袋を膝に乗せて、ひとつずつ歩道まで運び、車椅子のブレーキと後ろの押し手に引っかけて一気にゴミ捨て場まで行けば間に合うはず…だったのだが。
 袋を落としてしまったり、方向転換に時間がかかったり、袋が車輪に引っかかってしまったりで、とうとう半分のふたつのゴミ袋は出せなかった。ニッキーに手伝って貰った方がよかったかな。練習のつもりだったけれど、ゴミ出しもやっぱり助かっていたんだ、と今頃思った。
 多分ふたりで協力しても全部のゴミを出すのは無理だったかもしれない。でも、失敗した時に顔を合わせて笑える相手がいる方がずっといい。今度は一緒にゴミ出しに行こうね、ニッキー。
 それにしても、明日から留守にするのに、残ったゴミをどうしよう…。


■2002/03/16 (土) さまざま

 電車に乗る時、車椅子を使っていると大抵いちばん後ろの車両に案内される。今日も定位置に乗っていると、次の駅で電動車椅子のおばさんが乗車してきた。
「嫌だ、こわーい! 犬がいるよ」――犬が嫌いな人は仕方ないけど、そんな言い方ないだろうと、軽〜く腹が立つ。ひとり言ではない。大きな声で非難がましく「こんな大きな犬がいたら、怖くて乗れないわよ」と言いながら、狭い通路を移動していった。
 嫌いなものを好きになれとは言わない。介助犬に関心がないのも知らないのも結構。静かに伏せたままのニッキーも、黒い大型犬というだけで怖がられることも解っているつもりだ。でも、大きな声で乗客に同意? を求めるように、降りるまで怖い怖いと言い続けることもないだろうに。
 私より二駅早く下車したおばさんは、エレベーターに向かいながら駅員さんに、「車椅子の場所に犬がいるのよ、真っ黒いこーんなに大きいのが。こっちは逃げられないんだから、怖くて怖くて」と訴えていた。
 心配なのはこの駅員さんのその後の対応だ。「犬が乗っていたので苦情があった」「車椅子のお客様が安心して乗れなかった」としてこの出来事を処理してしまったとしたら。
 数え切れないほど電車に乗ったけれど、いつも持ち歩いている「介助犬乗車承認通知書」の提示を求められたことはない。黒眼鏡をかけ白杖を持った私を見て、ニッキーを盲導犬と間違う駅員さんも多い。本社は一生懸命基準を作り、試験をしていても、現場ではそんなこと知られていない感じがする。
 駅員さん、ちゃんと答えてくれただろうか。
「電車に乗っている犬は、盲導犬と、試験に合格した介助犬・聴導犬です。吠えたり噛んだり、車内で排泄したりしませんから大丈夫です」と。出来れば更に「お客様の身体の一部として乗車を認められています」くらい言ってくれれば。
 その後、本日は聴導犬らぶ太と聴導犬協会のPR犬はな、それぞれの飼い主さん達に会って、手話教室とミニオフ。手話教室の人達もでかい犬達を自然に受け入れてくれたし、うどん屋さん(○の○芸:全店同伴可)でも聴導犬と介助犬はテーブルの下で静かに寝ていた。
 なんと言うか、落差のある一日だった。ひとさまざま、である。
 らぶ太、はな、ニッキー、そして沢山の仲間達。君達のグッドマナーをもっともっといろんな人に見てもらおうね。ひとりひとりに知ってもらうのがいちばんだから。


■2002/03/15 (金) 深夜のデート

 ニッキーの散歩は、ハーネス無しでトイレを済ませる簡単な散歩と、ハーネスを着けてトレーニングのおさらいもし、あちこちに寄り道もする長い散歩の二通り。私は前者を「散歩」後者を「デート」と呼んでいる。
 雑用に追われたせいで昨日のデートは深夜になった。速足で歩かせてトイレを清ませ、簡単なトレーニングをしながらコンビニに行き、そこからちょっとした上り坂で車椅子を引いてもらって公園に行き、誰もいない深夜の公園で自由に遊ばせてやる、という予定で、12時半に出発。一応か弱い女性なのだが、大型犬と一緒だから大丈夫だろう。
 ニッキーは素直にトレーニングに応え、コンビニでもしっかり仕事をしてくれた。さあ、早く公園に行こうね! とレジへ急いだのだけれど。財布を忘れていた。ありがちな展開。言い訳がましくレジのお兄さんに事情を話して、家に帰り、財布を持ってコンビニにとって帰すと、もう丑三つ時…。
 それから公園に向かう。ニッキーは誰も居ない公園で気持ちよく走り回り、帰宅は当然3時を過ぎていた。ニッキーも適度に疲れ、私も適度に眠かった。
 いつも帰宅する時の角を曲がらずに公園に向かう道を指示すると、ニッキーの表情が変わってくる。「もしかして公園?」と。そしていよいよ公園に行くことが確実になると「やっぱり公園〜!」と気合が入るのが分かる。
 今週はあまり出かけなかったし、ちょっと退屈していたニッキーを喜ばせてやりたくて、眠くてもデートではサービスしてしまった。やっぱり私って溺愛飼い主?


■2002/03/13 (水) またまた乗車試験

 3月6日、某私鉄の乗車試験を受けた。JRの乗車試験は、ニッキーの介助犬認定が日本のものではないからと、最初は受験さえ認められなかった。それに比べたら今回はとっても楽にことが運んだと思う。
 担当者が「介助犬の拒否はユーザーである乗客の拒否」という認識を持っていてくれたのがありがたかった。電話での交渉もスムーズに行き、応対はいつも丁寧。
 特別に試験のために乗車するのではなく、私が某私鉄を利用する時に合わせて試験が行われた。しっぽも踏まず食べ物も見せず、ただニッキーと私が電車に乗るのを見るという話だったので、心配はしていなかったけれど。
 担当者に続いて、ぞろぞろと現れる各部門の人々、総勢6人。
「何しろ介助犬の乗車は初めてなんで、勉強させて頂こうと…」
 初めて見る介助犬がうちのニッキーとはお気の毒に(心の声)
 更に小学生数名が「介助犬だ〜」「でっけ〜」などと盛り上がっている。
 頼むからニッキーをハイにしないでくれ〜(ふたたび心の声)
 各部門の人々の中には犬好きな人もいて、早速しゃがんでニッキーをぐりぐり撫で始めた。ニッキーが喜んで飛びついたり、お遊び気分になったりしたら大変! 食べ物よりずっと辛い誘惑だった。もしかしたらこれが試験なんじゃないかと真面目に思った。
 なんとか無事に、きちんと座ったまま誘惑をやり過ごし、リードを短く持ってホームへ入り、到着した電車の車椅子用スペースへ乗り込む。ドアから左に進んだので、ニッキーは車両の隅っこに壁と車椅子に挟まれた形で他の乗客にお尻を向けて伏せた。
 この状態ならどんな物音がしても、誰が乗って来ても伏せたままだろう。ほっとしたのもつかの間、なんとさっきの小学生集団が追っかけのように現れた。甲高い声で犬の鳴き真似を始め、ニッキーの背中にぶつかったりする。ニッキーは動じなかったが、私は小学生を車椅子でなぎ倒してやりたい衝動に駆られていた。これも試験の一環かもしれないと思って我慢したけど、まさか。
 それでもどうにか「全く問題はありませんね」と言う担当者のおことばを頂いて、試験は終了。そして昨日、正式に乗車許可の連絡があった。
 私にとって目の前でニッキーを踏まれたり叩かれたりするのは、人権侵害。そういうことを一切行わずにテストしてくれた某私鉄のみなさん、ありがとう。これがよい前例になればいいのに…と思わずにはいられない。


■2002/03/04 (月) 犯人は誰だ

 目撃者K子さん(60・自称45)の証言で、東京都在住黒犬ニッキー(6)のしっぽが障子をばしばし叩き、下の方に小さな裂け目を作っていたことが確認されている。黒犬ニッキーは、事件現場に帰省した飼い主に同行し、介助犬の特権で和室に侵入、そこでドッグフードの袋を見つけて嬉しくなり、しっぽを振りまわしたと見られる。
 4日朝、障子の裂け目から冷たい空気が出てくることに疑問を持ち、鼻を付けて匂いを嗅いでいたまだら猫ギギ(1歳未満)を背後から縞猫リズ(1歳未満)が前足でどつき、障子に顔面から突っ込ませた疑い。リズは、後ろからギギを誘ってみたが、気がついてもらえなかったのでかっとなったらしい。
 現在、障子にはくっきりとギギの頭の大きさの穴が空いている。障子張り担当のYさん(62)は、穴の形からギギの犯行と推測したが、その後リズの行動が明らかになり、「リズは可愛いから障子なんか破ってもいいよ〜〜」とコメントした。

 さて、この事件、障子に穴をあけた犯人は誰だ?
 我が家の結論:犬猫を和室に入れた人間がいけない。よって犯人は、犬連れで帰省して障子を張り替えた部屋に泊まった私…だそうである。


(C)Yuki+Nicholas, http://blackdog.whitesnow.jp/