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くろいぬ日記

黒犬ニッキー、アリゾナ育ちの東京暮らし。

2002年6月の日記

■2002/06/19 (水) 小ネタの数々

 ついつい自分と身内を笑いのたねにしてしまう私。この日記だって本当は、ニッキーがどれだけ私を支えてくれるかを紹介する目的だったはずが…。ニッキーのしょうもない行動を嬉々として紹介してしまうのだった。
 断っておくと、介助犬としてのニッキーは、ちゃんと毎日必要なときに仕事をしてくれるし、その仕事はきちんとしている。
 と、一応持ち上げておいて。
 今までの「書くほどでもない」小ネタの数々をご紹介。

*ある晴れた日
 玄関に座ってニッキーにブラシをかけていた。その横顔、犬のくせにちょっとカールしたまつげがかわいい。
「に〜こちゃん に〜こちゃん まつげが長いのね♪」と気持ちよく歌なんか歌う。すると「ナガイノネ」の「イ」の辺りで伴奏が。
 ぷ〜ぅ〜〜〜う、ぶぴ、ぶっ!
 数秒間唖然としてリズムが狂ったが、「そ〜うよ おなら〜も 長いのよ〜♪」と続け、愛犬のオヤジ化を嘆いた。

*ある日の仕事
 電話の子機をくわえて私のところに戻ろうとしたニッキーはくしゃみをした。くわえていた子機が床に落ちた。私は何も言わなかったけど、ニッキーは急いで拾い直して持って来てくれた。
「グッド!」と言って、電話番号を押したが、何故かそれはテレビのリモコン。あとで見たら子機の方は偶然にもくしゃみの時いつもリモコンがある場所に落ちていた。

*ある朝
 ニッキーが私が起きたのに気づいて慌ててやってきた。いつもは私が起きた時にベッドの横で待っているのだが、その朝は自分のハウスで寝過ごしたらしい。
 その失敗を挽回すべく飼い主の顔をぺろぺろしながら、ニッキーは突然「かっ!」と痰を吐いた。私は勿論あわてて拭こうとしたけど、ニッキーはそれをなめるのも自分の責任だと思ったらしく、人の頭を前足で押え込んでぺろぺろし続けた。寝起きの犬の口はべとべとだった。
 皮がむけるほど念入りに顔を洗った。

*命中
 お気に入りのボーンをくわえてぐるぐる回っていたニッキー。「牛乳あげようか」と言ったら、大急ぎでやってきてボーンを放したので、結構大きなボーンはハンマー投げ状態で飛んでいってそのままゴミ箱に入った。
 でも、ゴミをゴミ箱に入れる仕事で一発成功したことはまだない。

 ああ。まだまだあるのに字数が足りない…。他の小ネタはまたの機会に。


■2002/06/15 (土) 背中の不安

 先日公園でニッキーに体当たりをくらって以来、考えていたことがある。車椅子が引っかかった時なんかは、私がハーネスにつかまるより、後ろから頭か前足で一発どかんと押す方が楽なんじゃないだろうか。両手がフリーになれば私も全力で車輪を動かせるし。
 試しにニッキーに「Up(後ろ足で立ち上がって)」「Touch(前足で押して)」とコマンドをかけて私の背中を押させてみた。いきなり実際に外でやったら車椅子が犬の上に倒れる危険もある。最初は室内で、私が安定のいい場所に座った状態からだ。
 誰かが私の後ろでニッキーのリードを持って肩の辺りを示してくれれば、一発で出来る。UpもTouchも知っていてよく使うコマンドなので、どこに前足をかけるかだけ分かれば何でもない。でも近くに訓練を手伝ってくれる人はいないから、ひとりでやらないと。
 これが意外に難しかった! 私は腕の可動域が狭いので、自分の肩や背中を叩いてニッキーの注意を引くことができないのだ。首が動きにくく視野も狭いから、背後でニッキーが何をしているのか、どんな表情なのかも分からない。ただひたすらニッキーに背中を向け、耳を澄まし、声をかけてヒントを出しながら、肩に前足がかかるのを待つのみ。
「Touch!」まずは電話機やベッドを前足で触るニッキー。いくらやっても正解にたどり着かないと無意味に電気の紐を引っ張って、あっさり「違う」と言われたりする。ニッキーは良くも悪くも失敗を気にせず行動する犬だ。鼻でつついたり、何かくわえたり、無駄な行動も続出。
 とうとう最後に、私の肩にちょっと爪の伸びすぎたでかい前足が。「Yes! Good!」褒められた時のニッキーの喜びようはすごかった。ディープキスの嵐、もういいって言うのに前足パンチ、頭突き。
 ニッキーは横や前に来ようとするから、背中にしかさわれないように、私は床に座ってベッドに上体を伏せていた。これがニッキーには不安だったのだ。私の具合が悪くなったように見えたかもしれないし、「目を合わせない」は最大の罰と同じ。相棒が苦しんでる? それとも叱られてる? 黙って背中を向けられていることで、多分すごい不安を感じていたんだろう。
 ご苦労さまニッキー。でも…可哀想だけど、明日も同じ練習をやるよ。ノイローゼになったりしないでね。もっと自信を持ちなさい、あんたは愛されてるんだから!


■2002/06/07 (金) ゴミ出しその後・応用編

 ニッキーがゴミ出しを手伝うのも大分上達した。最初に飼い主の膝に持って来ることを教えてしまったせいか、ゴミ袋を持って来ると勝手に車椅子のフットプレート(足を載せる所)に置こうとするけれど、まっすぐにくわえて放さずに運ぶのは上手になったし、袋をくわえたまま段差を上がって、所定の場所まで歩き、袋を置くところまでやってくれる。
 多分「ゴミ出しをするおりこうなわんちゃん」は沢山いると思う。ニッキーは彼らのように、自分からゴミ袋をくわえてひとりで出して来てくれることはない。あくまで「飼い主のゴミ出しを介助」するのが目的だし、同じように他の介助をするのが仕事。だからいちいち「Get」「Hold」「Bring」「Up」「Drop」とそれぞれの動作をコマンドでさせる。犬任せではなく人の指示で、そして他の介助にも応用できるようにしなければならないのだ。
 ゴミ出しを利用して、物を別の場所に運んでそっと置くことにも慣れたので、早速リモコンをこたつに置きにいく仕事が追加された。私の言葉に従って、リモコンを見つけ、くわえてこたつの側まで行き、こたつに前足をかけて、そっとリモコンを放す。これは成功。
 もうひとつ、買い物の荷物をくわえて運ぶこともさせてみようかな、と思いついて先日コンビニに行った。いつも通り財布の受け渡しをした後で、ビニール袋をくわえて貰おうとして…私は言葉に詰まってしまった。
 ニッキーにとって、「中身の入ったビニール袋」を指す言葉はずばり「ゴミ」になっているのだ。「Get ゴミ!」とコマンドすれば、確実に商品の入った袋をくわえてくれるはずだった。でも、せっかく買ったものを「ゴミ!」ではお店の人に悪いよね? ちなみに空のビニール袋を指す言葉は「うんこ袋」。これもなんとかした方がよさそうだ。
 そんな訳でニッキーの次の課題は、「袋」または「ビニール」という単語を覚えることである。まだまだ新しいことを楽しんでくれるニッキーはともかく、今朝もうっかり「Get ゴミ!」「Bring ゴミ!」と繰り返してしまった私に出来るかどうか…。


(C)Yuki+Nicholas, http://blackdog.whitesnow.jp/