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くろいぬ日記

黒犬ニッキーと相棒の日々、時々猫も登場?

2003年9月の日記

■2003/09/25 (木) 絆?

 実家の猫たちとニッキーの関係を見ていると面白い。面白がって見ていられるのも、ニッキーが猫にはとことん優しいからだけれど。
 先月茶々丸が亡くなる直前には、茶々丸もなんとなく不安を感じていたらしい。もともと人が大好きで、「ひっつき猫」と呼ばれた茶々君が、いつも以上に人にくっついてきた。そして、最後の数日は、何故かニッキーと茶々丸がくっついて寝ていることもあった。
 病気の伝染を避けるために他の猫たちとは隔離されていた茶々が、寂しくてニッキーにくっついたのかな。それともニッキーの方が、辛そうな茶々丸を労わっていたのかな。茶々丸が死んだちょうどその時、別の場所にいたタンちゃんが大きな声で鳴き続け、私の両親を起こした。それも、私としては単なる偶然と思いたくない。淡白な猫たちなりに、何かお互いの絆があるんだと思う。犬と猫、種の違う生き物同士の間にも、多分何かが生まれることがあり得ると思う。
 ニッキーは猫たちには絶対逆らわないけれど、時々、振り回すぶっといしっぽが猫たちに当たってしまうことがある。タンちゃんやちょびは、容赦なく猫パンチでやり返すので、ニッキーは結構つらいかも。
 でもね。リズはちょっと違う。ニッキーに育てられた彼女だけは、何があってもニッキーに爪を出さない。しっぽで張り飛ばされても、困った顔でじっと我慢している。何ヶ月ぶりに会っても「にゃにゃーん」とニッキーにすり寄って行き、邪険にされても叱られても相変わらずニッキーが大好きなリズを見ていると、異種親子(?)の絆を感じてしまうのだった。
 今日もリズは、ニッキーのしっぽに叩かれながら「むにゅ!」と控えめな抗議をしていた。頑張れ、めげるな、リズちゃん。


■2003/09/18 (木) こっちの水は苦いの?

 昨夜、ニッキーが本を読んでいた私のひざを鼻でつついた。「何?」と言うと、一歩進んでこっちをじっと見る。
「ああ、そっちに一緒に行くの?」と、私は本を片付けてニッキーについて行く。ニッキーはたったったっ…と何故か楽しげなステップで自分のハウスに入り、ふたつ並んだボウルの片方を、鼻で示した。
 水飲みのボウル。いつもは水が入っていない時にこういうことをする。でも、覗いてみたらまだ水は結構たっぷり入っていた。「まだあるでしょ」と言うと、ニッキーは、それを飲もうとして顔を背ける。飲みたくないらしい。
 私の視力がもっと弱かった頃は、時々こういうことがあった。水飲みの中に抜け毛が浮いていたりする時、私が気づかずにいると、こうやってニッキーが訴えた。でも今回は理由が分からない。
 ボウルを洗って新しい水を入れても気に入らないらしく、もうひとつの(フード用の)ボウルに水を入れたら、そっちはがぶがぶ飲んだ。水は水道から大きなペットボトルに入れ、どちらのボウルにもそこから入れたんだけど…。
 なんだかオチのない話みたいになってしまった。ほんとに、何故ニッキーは、片方のボウルの水だけを飲まなかったんだろう? 私は結構考えてみたけれど、解らないまま。
 人間に対して仕草で表現し、人の言葉や表情を理解する、というコミュニケーションは得意なニッキー。でも、「この水は飲まない」は伝えられても、その理由までは伝えられないって、ある意味とても中途半端である。本当に心から、ニッキーに人間の言葉を話して欲しいと思った昨夜の出来事だった。


■2003/09/11 (木) 無駄な親切

 暑いけど、秋なんだなぁ、と思うのは、セミの声がしなくなって、りんりん系の虫の声が賑やかになってきたこと。昨夜、というか今日の明け方も、窓の外からは楽しげなりんりんが聴こえていた。まあ、「楽しげ」というのは人間の勝手な思い込みだろうけど。
 そうしたら不意に、別の方向からも「りーりー」と控えめな声がした。別に気にすることもないだろうと思いつつ、やっぱり寝返りをうってみたり、起き上がってみたりして、ひとりで鳴いている虫さんの位置を確認しようとした。それが伝わるわけもないのに、虫さんはもう一声「りーりー」。音の聞こえ方からすると、どうも私のベッドの下で演奏? しているらしい。
 私は虫が大の苦手。ゴキブリも蝶も等しく鳥肌が立ってしまう。だけど今回は、姿の見えない小さな虫さんだし、この季節だけ頑張っているんだし、と、虫との共存をはかることにした。
 そう、今日は、まだ部屋のどこかにいるかもしれない虫さんのために、殺虫剤とか虫除けとか蚊取り器とかを使わない日にしてみたのだ。
 かゆい!
 私とニッキーが出入りするたびに、ドアは結構長い時間開けっ放しになるし、それでなくても我が家の周りは蚊が多いし、隙間の多い古い建物だし…で、部屋には次々蚊がやってきてしまったらしい。
 目の悪い私には、音と刺された後のかゆみしか分からず、姿が見えないけれど、ニッキーは時々、空中でぱくぱくと蚊を捕らえようとしていた。フィラリア予防は当然しているけれど、ニッキーだってかゆいよね。ごめんね。
 夜になり、虫の歓喜の合唱が始まっても、「うちの虫」の声は聞こえてこない。ということは、私とニッキーは、もうどこかに行ってしまった虫さんのために、一生懸命蚊の攻撃に耐えていたんだろうか?
 ニッキーはきっと、自分にもそのくらい気を遣って欲しいと思っていたに違いない。気まぐれに無駄な親切を振りまいてしまう飼い主、その親切を重点的に我が犬と猫と家族と友人知人に向けたら、少しはいい人になれるかな?


■2003/09/08 (月) ちょうど1年前…

 書き溜めておいた文章を探していたら、偶然、去年の今日のメモを見つけた。去年のニッキーは、冷蔵庫からお茶を持ってくるように言われたものの、似たようなコマンドと混乱してしまったらしい。
 で、混乱して自信をなくしているニッキーについ「ノー!」と言ってしまう…と去年の私は反省していた。
 その後「フリッジ」と英語で言っていたのが、電気の紐を引っ張る「クリック」に似ている(日本生まれのニッキーは、LとRが区別できないから余計に)ことに気づいて、そのまま日本語の「冷蔵庫」にしたことで、問題は簡単に解決したんだけれど、去年の今日は、悩んでいた。
 冷蔵庫の中のものを持ってくるのも、昔からやっているような気がしていたけれど、去年の夏に初めて教えたんだね…しみじみ。
 今やニッキーは、冷蔵庫からペットボトルを取り出すや、一旦床に置き、先に冷蔵庫をしっかり閉め、それからもう一度ボトルをくわえて持ってくる、という回りくどい方法をすっかり身に付け、ちょっとは節電に協力する感心な犬である。
 冷蔵庫だけじゃなく、ニッキーが今「簡単に」やってのけるいろいろなこと。でも、決して「やってくれて当たり前」なことじゃない。それなりにふたりで頑張ったし、どんなに慣れたって、ニッキーが相棒のために「よしやってやろう」と思ってくれる、その気持ちがなければ犬は動かない。
 たった1年しか経っていないのに、ニッキーが持ってきてくれたお茶を何の感動もなく「はいはい、ありがとね」と受け取ってしまった自分を、ちょっと反省する私なのだった。


■2003/09/04 (木) カメラ

 いけないと思いつつ本屋で立ち読み。ニッキーは、私と並んで伏せると通路を邪魔してしまうので、私と向かい合う形で伏せて、棚の下に出来るだけ身体を入れていた。
 興味のあった本を斜め読みで確認しつつ、ふと見ると、ニッキーがじっと私の顔を見ていた。何かを問いかけるようでもあり、飼い主をじっと見て満足しているようでもあり。これがほんとにかわいいの。私がにっこりして見せたら、ニッキーはそんな表情のまましっぽをそっと動かした。
 せっかくの素敵な笑顔なので、携帯電話のカメラで撮影しようとしたのに、私と自分の視線の間に携帯電話が割り込んだら、ニッキーは目を伏せてしまった。
 そうなんだよね。最近気づいたけど、ニッキー実はカメラが嫌いらしい。相棒に見せる表情がなかなか撮影できないのは、カメラとか私の技術の問題ではなくて、その表情をカメラには向けてくれないからなのだ。

 でもその後、同じ本屋の奥の文房具のコーナーを覗いた時は、ちょっと違った。
 ここは通路が狭くて、ニッキーのしっぽが商品を落としてしまいそうだったので、ニッキーは邪魔にならない場所に待たされることに。静かにダウンステイして待っていてくれたけれど、分離不安野郎と分かりやすい異名をとるニッキーのこと、内心穏やかではなかったと思う。
 ニッキーから見える位置に私が移動すると、いつものダウンステイとは違う、頭をぐっとあげた姿勢で待っていた。少しでも相棒の姿やにおいを確認しようとしているらしい。いつもはだらーんと地面にはりついたようなダウンステイなのに。
 せっかくのりりしい姿を撮影しようと、またカメラを向けたら、カメラを見た途端、ニッキーは安心したらしく、全身の力を抜いたいつもの超リラックスステイになってしまった。
 多分ダウンステイを指示されたことで「どこに行くんだろう」とか「置いていかれたら」といろいろなことを考えて気にしていたんだろう。そして、カメラを見たら、写真を撮るためのステイだったと思い、緊張が緩んだのだ。
 ニッキー、たまにはカメラもいいでしょ?
 それにしても、リラックスしすぎるのはどうかと思うよ…。


■2003/09/03 (水)

 オソロシイ雷雨に遭遇した。都内某所へ移動中だった私とニッキーが、私鉄からJRに乗り換えようとしていた時、あのすさまじい雷のまっさいちゅうだったのだ。
 私は全然平気だと思っていた。ニッキーはなんたって、アリゾナのモンスーンが大騒ぎしている間も腹を出して寝ていた大物なんだから。ところがところが、意外にも、某駅で待たされている間、ふと撫でてみると、ニッキーの身体がかすかに震えている。私はびっくり、そしてうろたえてしまった。もし今後ニッキーが大きな音を怖がるようになったりしたらどうしよう?
 こういう時下手になだめるより、「そんなの全然平気だよ」という態度でいつもどおり、その場を通り過ぎてしまった方がいい。なのに、駅員さんが「混雑して危険ですからここで待っていてください」なんて、こともあろうに、雷鳴と電車の音が重なって轟いている最悪な場所で私の車椅子を止めてしまった。世の中雷が嫌いな人って多いのかな。「きゃー」「怖ーいぃ」なんて声を上げて走っていく人もいた。やめてほしい、そんな声を出したらニッキーに「怖い気持ち」が伝染してしまう。
 私は内心うろたえながら、ニッキーに「全然平気じゃーん」という態度を見せなければ…と、その場で『スーダラ節』やら『東村山音頭』やらを歌い続けた。豪雨と雷鳴と電車の音がどっかんどっかん響いていたから、多分私がそんな馬鹿な真似をしていたことに気づいた人はいなかった…と思う。
 歌い続けた効果があったとは思えないけれど、ニッキーはいつの間にかいつものへらへら笑顔に戻っていた。無事電車にも乗ることが出来た(私達が目的地渋谷で降りたとたんに山手線は外回り内回り両方が止まってしまった。危機一髪だった…)。でも、ニッキーが雷にびびるのを初めて見て、いろいろ考えてしまった相棒である。
 ニッキーなら大丈夫、と思っていることも、ニッキーには到底期待できない、と思っていることもある。そういういろんなニッキーの長所や短所や、気質や性格が、何かのきっかけで変わることも、まあ可能性としてはあり得る。我が犬を信頼するのは大切なことだけれど、常に「今のニッキー」をしっかり見ていないとね。


■2003/09/01 (月) 好きなことから?

 長かった実家生活の間たいした仕事もなく過ごしていたニッキー、再び相棒とのふたり暮らしに戻って、日々のお仕事をしてくれている。
 私のほうは体調の変化なのか、実家であまり動かずに済んでいたせいなのか、左足がなんとも頼りないので、キッチンと部屋の間の段差や、トイレのドアを手前に引いて開ける動作が、今はちょっと怖い。転びそうになるんだもん。で、ニッキーは帰宅早々活躍してくれた。
 自分はしっかり両手を壁について移動しながら、トイレのドアを開けてもらう。結構力を入れないとドアノブが回らないので、ニッキーもかなり強く紐を引くようだけれど、なかなかドアが開かない。ニッキーは、紐を引くのを一旦やめて、前足でドアノブを回す作戦に出た。
 ドアノブを押して開けるドアを知っているから、彼なりに考えて応用してみたんだろうか。大型犬の体重で、ドアノブががちゃんと回った。作戦成功で、ついしっぽを振ってしまうニッキー。それがよっぽど嬉しかったのか、今日はやたらと前足を使っている。
 冷蔵庫を閉めるときも、鼻でつつくように教えたのに、前足。散歩前にリードを持ってくるときも、前足で引き寄せてから。鼻で私の腕をつつくのがいつもの「用事があります」の合図なのに、今日は前足で。
 最近は何も言わなくても開けたドアは自分から閉めるニッキーだが、いちいち「お鼻!」とコマンドして、なるべく鼻を使わせている。ニッキーは、出しかけた前足をしぶしぶ引っ込めることもあり、強引に前足を使う時もあり。多分ニッキーは、鼻よりも前足を使う方が得意、というか好きなのだ。まずは好きなことから試してみたくなる、子供のようなニッキー。
 ニッキー自身の判断力や応用力も大切にしたい。でも、あまり勝手なことをさせていると、いざという時に正確な仕事をしなくなるかもしれない。どこまでを褒め、どこからを叱るべきか、やや悩む相棒なのだった。叱ろうと思っても、「どうだ!」と得意げなニッキーの表情に、つい笑顔になってしまう。


(C)Yuki+Nicholas, http://blackdog.whitesnow.jp/