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くろいぬ日記

黒犬ニッキーと相棒の日々、時々猫も登場?

2003年12月の日記

■2003/12/29 (月) ひとりあるき

 事情あって、ニッキーを留守番させてひとりで外出することになった。ニッキーと一緒でなければ、どこにもいかない! が私の信条ではあるが、今回は6年ぶりに特別な友達との再会で、信条を曲げてでも行きたかったのだ。
 家を出てすぐに後悔した。ひとりあるきはこんなに不安なものだったの? ニッキーがいないことは、私に「居場所のない感覚」を起こさせる。初めてニッキーがハーネスを着けた頃は、ニッキーを気にしながら歩くのがとても大変で、ひとりの方が楽だと思っていたのに、いつの間にか逆になっていたんだね。
 介助してくれることそのものも大きいけれど、「ニッキーがいれば何とかなる」という安心感や、「ニッキーを守るのは私」という責任、それに、ニッキーが私を必要としてくれていること。それが、ささやかだけれど世の中に私の居場所を作っていたのかな。
 ニッキーがいとおしいと感じる一方で、ニッキーに頼らなくてもしっかり自分の居場所を感じられるように、もっと強くならなくちゃ、と思った。
 6年ぶりに親友Kちゃんと過ごして、ちょっと元気をもらって帰宅。ニッキーは喜びのあまり、そこらにあるものをくわえてぐるぐる高速回転して迎えてくれた。
 嬉しかったのは、なぜか消していったはずの電気をつけて待っていてくれたこと。多分、退屈してなんとなくスイッチを引っ張ったんだろう。それでも、灯りを点けて待っていてくれたら嬉しい。
 ニッキーも、Kちゃんも、ありがとう。ほぼ帰国以来のひとりあるき、いろいろ考えて、やっぱり私を支えてくれる人たち(犬猫含む)の存在がとても嬉しいと思えた。


■2003/12/19 (金) 風邪を引く

 最悪な体調の数日を過ごしてしまった飼い主。これから、だらだらした日々のつけを払うように頑張らなくては、というところ。
 ニッキーさんは元気なのだけれど、飼い主の体調を察してか、散歩が中止になっても文句ひとつ言わなかった。でも、齢7歳11箇月にして今なお爆発型の典型的なラブである彼は、実はエネルギーが有り余っていたと思う。
 ニッキーの場合は、普段の私の生活にあわせて、買い物したり電車に乗ったりしながら、必要な仕事をするのが習慣になっている。頭を使い、少々気も遣い、作業し、相棒に褒められて満足する、というのが必要なのだ。だからこういう時、誰かに代わりに散歩に行ってもらうより、家の中でいろいろな仕事をしてもらう。
 鼻水が出たらティッシュを持ってきてもらい、薬を飲む時は水を持ってきてもらう。テレビとエアコンのリモコンと、携帯電話は枕元に置いてあるけれど、落としてしまったら拾ってもらう。薬のせいかトイレに行きたくなり、そのたびに電気をつけたり消したり、ドアを開けたり閉めたりもニッキーの仕事。
 ニッキーが退屈しないように、と考えていろいろ仕事をさせたけれど、結構自分が助けられた。私にとって介助犬ニッキーがいちばん必要なのは、外出する時だと思っていたけれど、家でも思っていたよりずっと仕事があったんだ、とやや感心しちゃったりして。
 ニッキー、ご苦労様。風邪を引いた原因は、この間君がリモコンをくわえて持ってきた時に、エアコンが冷房モードになったことだと思うんだけど、この際そのことは忘れるよ。


■2003/12/02 (火) 新ネタ?

 さすがにもう、介助犬として仕事を新しく教えることはほとんどなくなった。時々「ゲット・何々」の名詞が増えるくらい。
 ニッキーの最新のコマンド? は、5月のセミナーで教えた「ニッキー君、はーい」で右手をあげるというもの。「タッチ」(前足で触る)を応用しただけだから、特に新しくもないけど、雰囲気を和ませるには役に立つ。
 昨日私は、ふと思いついて、同じように右手を上げる動作を違う言葉でやってもらった。まずは「ニッキー君、はーい」で右手をあげたニッキーを、オーバーに褒める。それから、「元気ですかぁ? いーち、にーい、さーん…」ニッキーとしっかりアイコンタクトをしたまま、「ダー!」で私が手を上げると、ニッキーも同時にしっかり手を上げた。
 ニッキーは多分、アイコンタクトをしながら、聞いたことのない言葉をかけられて、何をすればいいの? と考え、とりあえずさっき褒められた「はーい」をやってみたのだろうけど、とにかく新ネタ「猪木の真似」成功?
 で、本日もう一度ニッキーに「元気ですかぁ? いーち、にーい…」。ニッキーは、2が終わる前に自信たっぷりに右手を上げ、私に「あーあ」とがっかりされると、何故? という顔をしていた。こういうタイミングは、教えたことがないもんねぇ、ニッキー。飼い主に似て、人と協調できない君には難しかったかな? それとも、コマンドを言われる前に先読みすることに慣れすぎているのかな?
 もう一度、今度は「ダー!」だけを言ってみたら、即座に伏せるニッキー。確かに「ダウン」の「ダ」なんだけど…何かが違うよ。
 くだらない新ネタで、ニッキーの、人間とは違う脳みその構造や行動のパターンを、しみじみ感じた相棒。新しいトレーニングをほとんどやらなくなってから、こんな楽しみは久しぶりだった。


■2003/12/01 (月) 健康診断

 相変わらず元気なニッキーも、体内の老化は進んでいるはず。何と言っても、後1ヶ月で8歳…大型犬としては立派に老犬である。そういえば、昨年の12月には、勝手に尊敬する某獣医さんに、「初老ですね」と言われ、「老」の字に圧倒されてしまった私だった。そろそろ「初老」から「老犬」…。
 8歳を前に、本日健康診断を受けた。前述の獣医さんの病院にお願いして、血液検査に尿検査に糞便検査、全身のエコー、全身のレントゲン、そして、介助犬としてあちこちに出入りすることを考えて、腸内細菌の検査も。
 ニッキーが野獣のような若犬だった頃、初めてお友達になってくれた同い年の黒ラブインディ君が、今年の夏、腫瘍で亡くなっている。だから、私の第一の心配は、癌や腫瘍の類のことだった。
 それから、軽度ながら股関節形成不全があるから、股関節の様子も気になるし、車椅子を引いたり、後足で立ち上がってテーブルの上の物をくわえたりする仕事が、背骨やひざに負担をかけていないかどうかも…。
 久しぶりに、祈った。とにかくニッキーに、何も異常がありませんように。

 朝から始まった検査、夕方に聞いた結果は、全て正常値で、腫粒も見つからなかったとのこと。レントゲン写真には、背骨もひざも、正常な骨が正常に並んでいた。
 股関節の状態もまあ予想通り。右足がややゆるいので、もし状態が悪ければ、引退させようと考えていたけれど、飼い主がきちんと管理していれば介助犬としても大丈夫とお墨付きを頂いて安心する。
 以心伝心のベテラン介助犬を使い続けられる安心よりも、愛犬ニッキーに介助犬として働いてもらうという私の選択が、ニッキーに過剰な負担ではなかったことが、相棒として何より安心なことだった。この獣医さんは、使役犬に関しても厳しい判断をすると聞いていたので、そのお墨付きがありがたかった。
 でも。今回の検査での「正常」「健康」は、あくまで7歳のラブラドールとしての「正常」と「健康」。同年代の黒ラブに比べて白髪が少なく若々しいのがちょっと自慢のニッキーも、骨も内臓も目も歯も、年齢を重ねている。
 検査のために数時間離れ離れだったので、いつにもまして大喜びで相棒にタックルしてくるニッキーを、こちらもいつにもましていとおしく抱きしめた。
 ニッキー、幸せな老犬と幸せな飼い主になろうね。

(C)Yuki+Nicholas, http://blackdog.whitesnow.jp/