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[色鉛筆のイラスト]本物そっくりなニコラスと美化された相棒?(ここから本文)

About Us
ニコラスと相棒のこと。

Last update: 5/14/06
タイトル画像は、イラストレイターの有坂恵子さんにいただきました。ありがとう!

プロフィール

[写真]おすましで座っているニコラス

ニコラス:

犬。愛称ニッキー。このサイトの主役。
ラブラドール・リトリーバーだけど、雑種ですか? とよく言われる。
1996年1月1日生(多分)、やぎ座、血液型不明。雄(勿論去勢済み)。
1996年、成田空港麻薬探知犬訓練センターに入所するも、あっという間に落第。
1998年、結局ただのペットとして現在の相棒と同居。
1999年、相棒の事情で渡米、介助犬育成学校TOP DOGに入学。
2000年、同卒業。介助犬の認定を取得して帰国。
2004年、日本の法律上の「認定介助犬」となる。現在東京で相棒とふたり暮らし。
大好き!:猫・牛乳・ボール・耳掃除 / 大嫌い!:留守番・爪切り・雷
写真は公開できません…

その相棒:

人間。このサイトの製作者。
脳性麻痺と未熟児網膜症で、車椅子と黒眼鏡と目薬数種が必需品。
19XX年11月4日生、さそり座、A型。女性(花はないが独身)。
199X年、変わり者ぞろいの某大学卒業、就職するも、あっという間に退職。
1998年、最初はただのペットだったニコラスと同居。
1999年、研修生として渡米、ニコラスと共に介助犬育成学校に入学。
2000年、同卒業。介助犬使用者の認定を取得し、研修も終えて帰国。
2004年、日本の法律上の「認定介助犬使用者」となる。現在東京でニコラスとふたり暮らし。
大好き!:猫・チーズケーキ・旅行・書きもの全般 / 大嫌い!:虫・歯医者・人ごみ・なまもの


「介助犬」は、特別に訓練を受けて肢体不自由者の日常生活動作を補助・代行する犬のこと。

物をくわえて運んだり、紐を引いたり、前足で押したり、指示どおりに移動したりする動作を組み合わせて、必要な物を持ってきたり、移動や体位転換を手伝ったり、ドアやスイッチを操作したり、人を呼んだりなど、障害者の手助けをしてくれます。
アメリカで推定2000〜3000頭、ヨーロッパでも数百頭が実働し、日本では2006年現在約30頭です。
使用者(介助犬を必要とし、日常使用する障害者)と、その使用者の生活・必要・環境に合わせて適切に育成された介助犬が、共に暮らし支え合うことで、使用者の生活上の不自由と心理的な負担が軽減され、自立や自己実現にもつながります。

ニコラスは、1999年5月から2000年7月まで、アメリカ・アリゾナ州ツーソンにある介助犬育成プログラムTOP DOGで訓練を受けています。数度の適性審査(介助犬に適した気質や性格を持つかどうかの審査)を受けながら、専門のカリキュラムで社会性・基本訓練・公共施設でのマナー・介助犬としての作業を身につけ、相棒の介助犬として認定を受けました。
帰国後日本で新しく法律が施行されたため、2004年4月には、日本の法律に基づいた正式認定も取得しました。
まだまだ元気で、現役介助犬として2006年に10歳を迎えました。
力仕事は少なくなりましたが、その他の仕事のレパートリーはさらに増え、口元に白髪が増え、ますますいとおしいこの頃です。


そんなふたりの関係

相棒の事情 ニコラスの役目 チームワーク
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相棒の事情

* 手足と目の両方に障害がある相棒にとって、いちばん不自由を感じるのは屋外での移動です。自動車はもちろん、電動車椅子も使えません。電動車椅子の勢いで万一段差を落ちてしまったり、障害物にぶつかったりすれば、大怪我をする可能性もあるからです。
 大学時代、足の不自由な友達は次々運転免許を取って行動半径を爆発的に広げ、目の見えない友達は盲導犬を得て誰にも頼らずに颯爽と歩けるようになりました。相変わらず、手を貸してくれる人・車に乗せてくれる人・足元の段差を注意してくれる人がいなければどこにも行けない私は、ひとり取り残された感じ。
 卒業後ひとり暮らしを始めると、どうしたって自力で外出するしかありません。買い物も、ゴミ出しも、銀行や郵便局へ行くのも。でも、傾いた歩道で車椅子をコントロールできずに車道に流されて轢かれかけたり、段差を車椅子ごと落ちて怪我をしたり。車椅子の操作に頑張るうち無理が来て、背中の痛みで寝込み、腕が筋肉痛で上がらなくなったこともありました。

 そんな時、アメリカやヨーロッパには、手足と目に両方障害を持つ人を助ける犬が存在することを知りました。必要な時は車椅子を引っ張ったり押したりして助けてくれ、段差があれば教えてくれ、ユーザーが見つけられなくても落ちて転がっていった物を探して拾ってきたりしてくれるのです。

 これだ! と思った私は、1996年に実際に働くアシスタンスドッグを見にアメリカに行き、沢山のユーザーやトレーナーと会い、勇気とアドバイスを貰って帰国。99年に奨学金を得て留学、専門の訓練所に通ってニコラスを介助犬として訓練しました。
 1年半の訓練の間に、弱かった左手もやんちゃ坊主二コラスのリードを握ることで随分強くなり、車椅子の操作も上達して、上り坂もすいすい移動できるようになってしまいました。もう介助犬はいらないんじゃない? と冗談を言えるほど。でも、仕事を覚えたニコラスは、私の生活を想像以上に変えてくれました。

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ニコラスの役目

* ニコラスが覚えた仕事の一部は、次のようなものです。
 (「おしごとアルバム」に説明つきの写真があります。訓練の時の話は「黒犬ニッキーのARIZONA留学日記」にあります)

転んだら立ち上がるのを支える 必要な時に車椅子を引っ張る/押す 段差があれば進まない 障害物を避ける/止まって知らせる エレベーターやドアを探す 手の届かない場所の物や落とした物をくわえて渡す 杖や電話など特定の物を探して持って来る ドアを開閉する スイッチや引き紐を操作する

 いちばん助かったのはやはり、移動を助けてくれることでした。アメリカの広いショッピングモールでも、日本のでこぼこの歩道でも、必要な時は車椅子を引いてくれるし、障害物を上手に避けてもくれます。エレベーターを見つけてそこまで連れていってくれるのも助かります。膝にファーストフードのトレイを乗せて片手で押さえ、片手でハーネスを握って、テーブルまで引いて貰うことも出来るのです。

 足元の色が変わっていたり線があったりしたら、私にはそれが段差なのか色だけが変えてあるのかが判りません。そこで二コラスに「Go」と声をかけます。段差がなければニコラスは一歩前へ進み、段差なら動きません。普通に歩いている時も、障害物や段差があれば避けたり止まったりするので、ニコラスの動きに注意していれば大丈夫。弱視の私には充分なサポートをしてくれるようになりました。車椅子が急には曲がれないので、障害物のかなり手前から方向を変え、注意深く避けるなかなかのガイドぶりです。

 時間をかければ、落とした物も大抵は拾えるので、物を拾ったり、室内で電気を点けたりする仕事はそれほど一生懸命教えませんでしたが、リトリーバー犬のニコラスは、物をくわえるのが大好きで、特に教えなくても落とした物は拾ってくれるようになりました。紐を引いたり、ドアを開けたり、上着を脱がせたり、訓練が楽しくて仕方ないように次々と覚えていくニコラス。
 壊れやすい物をそっとくわえるのが得意なので、眼鏡を持って来ることも教えました。強いレンズが入った眼鏡と屋外用のサングラスは必需品ですが、活字を見る時などは外すので、落としてしまったり、置いた場所が分からなくなったりすることが多いのです。ニコラスは眼鏡を全く傷つけずに持って来てくれます。

 そして私は気づきました。転ぶ回数が激減したのです。年に1、2回は寝込んでいた腰痛も起こらなくなりました。
 落としたペンを拾うために、私は車椅子や机につかまって立ち上がり、ゆっくり身体を屈めます。バランスを崩して転んでしまうことも多かったのですが、今はニコラスが簡単に拾ってくれます。つかまるもののない部屋の真ん中で電灯の紐に手を伸ばす時もよく転びました。体調が悪くて転びそうな時やベッドに入った後は、ニコラスが代わりに灯りを点けたり消したりしてくれます。
 それでも転んでしまって立ち上がれない時は、ニコラスが杖を持って来てくれるので、片手の杖で身体を支え、片手でニコラスにつかまってバランスを取りながら立ち上がります。それでも立てなければ電話を持って来てもらって助けを呼びます。
 最初は期待していなかった部分で、ニコラスはちいさな不便とおおきな不安を解決してくれました。

 出来なかったことが出来るようになっただけではありません。無理をしないですむようになり、神経を使わずに安全に歩けるようになり、今まで自分のことで精一杯だった私に、空や風や花に気づく余裕が生まれました。必要最低限の外出しか出来なかったのが、明日はどこに行こう、と考えられるようにもなりました。
 介助の必要がなければ何もせずに一緒にいてくれるニコラスが、必要な時にはいつでも助けてくれる、その安心感も大きなものです。ニコラスがいるから大丈夫、出来るところまで自分でやってみよう、という気持ちも生まれてきます。

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チームワーク

* ニコラスは沢山のことをして私を支えてくれますが、その作業が実はとっても単純であることや、ユーザーである私が介助犬ニコラスを使いこなす難しさと責任については、あまり気づいてもらえないようです。

 指示に従って、進む・止まる・立ち上がる・くわえる・引く・放す・触る・押す・そして危険なことをしない――犬が自然に行う動作を、言葉の指示によって出来るのが基本。この単純な作業を組み合わせて正確に仕事をしてもらうには、ユーザーの側も努力と技術が必要です。
 そして何よりも、介助犬とユーザーの間の息が合い、信頼関係がなければ以心伝心は成立しません。

 私達がアメリカで訓練を受けた時は、車椅子を引いたり身体を支えたりする力仕事をさせる時の注意や、犬に運ばせる物の重さの制限など、厳しく指導されました。ユーザーが望む作業でも、犬に負担が大きければさせることを禁じられます。ちなみに体罰も禁止でした。人のために一方的に犬が尽くすのではなく、犬自身の福祉も欧米では大切にされています。
 ユーザーだけでなく、介助犬自身も、周りの人達も幸福になれるのでなければ、介助犬は本来の役割を果たしません。ユーザーは単に「訓練された犬を貰って介助してもらう」のではなく、自分の障害や環境をきちんと把握して、最適な犬に最適な方法で介助してもらえるような選択をする責任・介助犬と社会参加をするために、良識を持って犬をコントロールする責任・そして犬に感謝と愛情を持って適切な飼育・使用をする責任まで負うのです。

 坂道を登る時、ニコラスの補助を受けながら私も車椅子を力一杯動かします。立ち上がる時は片手にハーネス、片手は床に付いたり杖を持ったりします。100パーセント犬がしてくれるのではないし、犬の身体の負担を考えて、例えば背中に全体重をかけるとか、車椅子を長距離引かせるとか、重いかばんを運ばせるとかは避けます。
 生き物であり、言葉を持たない犬だからこその、大変さ。いたわらなければならないのも当然ですが、人が一生懸命でなければ犬も本気で働いてはくれません。

 犬と人お互いがベストを尽くす共同作業には、難しい部分も多いけれど、犬との息が合えば自分の手足のように自然に出来るようになります。犬と協力して自分で出来る、それは、少なくとも私にとっては、誰かに全てやってもらうより自然で、気持ちのいいこと。
 訓練を卒業する時には、「チームワークを忘れないでね」と言葉をかけられました。介助犬とユーザーは、お互いに助け合い、ベストを尽くし、お互いの能力を引き出してサポートするチームメイトです。
 だからこそ、一緒に何かが出来た時、私が嬉しいのと同じようにニコラスもしっぽを振って喜んでくれるのです。

 ありがとう、大切な相棒ニコラス。
 ずっとずっと一緒にいようね。

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(C)Yuki+Nicholas, http://blackdog.whitesnow.jp/servicedog_nicky/